首席が教える東京科学大学(旧 東工大)対策(物理編)

「東工大物理って、どのくらい難しいの?」
「物理は何から勉強すればいいかわからない。」
「微積物理はやったほうがいいの?」
この記事は、そんな東京科学大(旧 東工大)志望のあなたに向けて書いています。

はじめまして。
私は科学大塾で塾長をしている現役東工大生です。
主な経歴としては、東工大オープン全学院中一位や、東工大に全学院の首席で合格したことがあります。

この記事では、東工大物理の具体的な対策について書いていきます。
全体像については、こちらの記事で書いております。

首席が教える東京科学大(旧 東工大)対策

東工大(東京工業大学)合格に必要な勉強法を、現役東工大生が科目別に徹底解説。共通テストの考え方から二次試験の数学・英語・物理・化学対策まで、東工大対策の全体像…


出題構成

試験時間は120分で、大問3題構成です(令和10年度からは90分に短縮されます)。

例年の出題パターンはほぼ固定されていて、

  • 大問1:力学
  • 大問2:電磁気学
  • 大問3:波動 or 熱力学 or 原子

という構成になっています。

大問1・2は毎年同じ分野から出題されるので、力学と電磁気学は必ず得点できるレベルまで仕上げておく必要があります。
特に電磁気学は問題がある程度パターン化されていて、やりこむと点数が安定しやすいので、重点的に演習する期間を設けてみてもよいと思います。


大問3(波動・熱力学・原子)の傾向

大問3の分野については、過去10年間(2017〜2026年度)のデータを見ると、

  • 熱力学:7回
  • 波動:2回
  • 原子:1回

という出題頻度になっています。

熱力学が圧倒的に多く、波動がそれに続く形です。
原子は2023年の一回だけ出題されていますが、物質波の知識を用いるだけで、ほとんど波動の問題です。
ちなみに、2023年の前に原子が出題されたのは2005年度です。
原子は出題頻度がとても低いため、時間に余裕のない受験生は、原子を後回しにする選択もあるかもしれません。
ただ、原子の範囲で学ぶことは少なく学習コストが低いので、基本的には全単元一通りできるようにしておくのが無難でしょう。


答案の書き方

東工大物理には一つ大事な特徴があって、答えの数値以外に計算過程を軽く記述する欄があります。

数学ほど厳密な記述が求められるわけではないのですが、計算ミスをしていても計算過程に部分点が付いたり、単に答えを書くだけでは減点されてしまう可能性があります。
そのため、特に理由がない限りは、必ず計算過程を書く欄も埋めるべきです。
過去問演習を始めたら、自分の立式や計算の流れが読み手に伝わるよう、意識して練習しておくといいでしょう。


微積物理はやるべきか

結論から言うと、微積物理をやらなくても合格点は十分に取れます。

むしろ、微積物理の解法しか身についていないと、誘導に上手く乗るのが難しくなることもあります。
東工大物理は問題の流れに誘導がついていることが多いので、まずは通常の解き方をしっかり身につけることが先決です。

ただ、物理の基礎を最初に学ぶ段階で「速度は位置の微分」「加速度は速度の微分」といった微積物理の考え方を交えて理解しておくのは、むしろよいことだと思います。
Δを使って変化量の関係式を立てさせる問題は東工大でも頻出です。
具体的には、2026年度大問二(a)では、以下のようなコンデンサについての問題が出題されています。

時刻 t(t ≧0) において、短い時間ΔtでのQの変化量をΔQとしたとき, ΔtΔQ を用いて電流Iを表せ。

このような問題に対応できるよう、微積の概念だけは早めに頭に入れておくとよいかもしれません。

本格的な微積物理の学習に手を伸ばすのは、他教科も含めて合格点をとれる余裕が出てきた段階で、物理を得点源にしたい人だけでよいと思います。


具体的な勉強法

まず、最低でも重要問題集(名問の森)レベルが完璧にできるようにしてください。
このレベルができないと、東工大を受験するうえでは、物理が足を引っ張ることになります。
出題される問題は特に癖のない一般的な問題が多いので、重要問題集や名問の森などの広く使われている問題集で対策すれば問題ありません。

重要問題集や名問の森などの問題集が終わった後は、過去問演習をしましょう。
東工大物理は例年同じ問題形式なので、基本的には10年分くらいは過去問を解いてください。

難易度の変化

過去10年以上の東工大物理の難易度を考えると、2026年度のような他教科に比べて高得点が狙える、簡単な出題が多いです。
このような難易度の年の場合、「重要問題集(名問の森)+過去問10年程度」をしっかりと身に着ければ、120点くらいは狙えるようになるはずです。

しかし、2024年度のように、まれに例外的に難しい年があります。
この場合、「重要問題集(名問の森)+過去問10年程度」だけでは、100点には届かず物理で点数を稼ぐのは難しいでしょう。
例外的に難しい年に対応しようとすると、重要問題集(名問の森)よりも難しい問題集をやることになります。

以上を踏まえると、以下の2パターンの戦略があると思います。

  1. 例外的に難しい年を引いた場合は、仕方がないと割り切って、簡単な年で120点くらいとれるようにする。
  2. 例外的に難しい年でも高得点が取れるように、重要問題集(名問の森)よりも難しい問題集をやる。

圧倒的に1の方法をおすすめします。
なぜなら、例外的に難しい年を引いた場合、他の教科もしっかりと学力がついていれば、物理で点数が取れなくても合格できるからです。
重要問題集(名問の森)よりも難しい問題集をやる場合は、物理以外の教科でもっと学習すべき教科はないかと考えてください。


投稿者プロフィール

塾長 佐瀬