首席が教える東京科学大(旧 東工大)対策

この記事は、令和9年度(2027年2月実施)の入試を受験する方に向けた内容です。

令和10年度(2028年2月実施)以降に受験予定の方は、まずこの記事で東工大入試の基本的な仕組みや対策を理解した上で、令和10年度以降の変更点についての以下の記事もあわせてご覧ください。

東工大の一般選抜が変わる?変更点と、これからの正しい勉強法

東京科学大学(旧東工大)の一般選抜が令和10年度から変更。共通テスト配点化や試験時間短縮にどう対応すべきかを、東工大首席合格の現役学生が解説します。

「春から受験生になったけど何をしてよいかわからない」
「東工大合格に向けた勉強法を知りたい」

そんな受験生のあなたに向けて書いています。

はじめまして。
私は科学大塾で塾長をしている現役東工大生です。
主な経歴としては、東工大オープン全学院中一位や、東工大に全学院の首席で合格したことがあります。

この記事では、東京科学大学理工学系(旧 東工大)対策の全体像について書いています。
塾に行っていても、行っていなくても有益な内容になっていると思います。

敵を知る

敵を知ることで、効率のいい勉強ができます。
また、これから紹介する勉強法に納得してもらえると思います。

配点

第一次選抜(共通テスト)

(東京科学大学 理工学系 令和7年度一般選抜(前期日程)学生募集要項 より引用)

配点は東大などの一般的な国公立大学と同じ、6教科8科目で合計1000点です。
特徴的なのは、共通テストの点数が足きりにしか使われないことです。
二次試験の倍率が3.5倍になるように足切りが行われます。

第二次選抜(二次試験)


(東京工業大学 令和6年度一般選抜(前期日程)学生募集要項 より引用)
※試験日は令和6年度のものなので注意

東工大の個別試験は、前期日程のみで、2日間行われます。
最も特徴的なのは、数学の配点が高く、英語の配点が低いことです。
数学、物理、化学の試験時間が長いことも特徴です。

合格最低点

(東京工業大学 令和7年度一般選抜(前期日程)合格者学院別得点 より引用)

令和7年度入試で大幅に合格最低点が上昇ました。
今後も合格最低点が上がっていく可能性があるので、上の表の合格最低点よりも少し高めに思っておくとよいと思います。

東工大入試の対策

第一次選抜(共通テスト)

基本的な考え方として、共通テスト対策より二次試験対策を優先することが大切です。
二次試験で合格ラインに届く実力があれば、数学・英語・物理・化学は特別な共通テスト対策なしでも高得点が取れます。
また、学校の定期試験をしっかり勉強していれば、二次試験で使わない国語・社会・情報でも一定の点数は確保できます。

ただし、足切りにかからないための最低限の点数は意識しておく必要があります。
実際の足切り得点は、令和7年度(2025年入試)が約680点/1000点、令和8年度(2026年入試)が約694点/1000点でした。
(※足切り得点は大学からの公式発表がないため、当塾がX(旧 twitter)の情報をもとに算出した点数であるため、不正確な可能性があります。)
余裕をもって1000点中750点以上を足切り突破の目安としておくとよいでしょう。

共通テストの模試の成績を見るときは、二次試験でも使う科目(数学・英語・物理・化学)で大きく点数を落としていないかを確認してください。
もしそれらの科目で多く失点しているようであれば、その科目の二次試験対策が不十分なサインです。

第二次選抜(二次試験)

これから教科ごとに、勉強法を説明していきますが、得意不得意によって、教科ごとの目指す点数と勉強量が変わってきます。
そのため、自分の得意不得意を早くに知ることが大切なので、すべての教科の基礎を早めに終わらせる事をおすすめします。

数学

東工大といえば数学です。
配点の四割が数学であるため、数学が得意である必要はありませんが、苦手であることは許されません。
再優先で勉強すべき科目と言えるでしょう。

東工大数学の特徴としては、簡単な問題はほとんどありません。
問題の難易度が1から10まであるとすると(数字が大きくなるほど難しい)、東工大では6以降しか出ないみたいな感じです。
そのため、あるところまで学力が伸びてこないと、ほとんど点数が取れませんが、そこまで到達すると急に点が取れるようになります。
早く、この一定のレベルに達することが、第一目標になります。
逆に達した後そこからどれだけ伸ばすかは、人によって変わってくるとおもいます。

また、よく東工大数学は計算量が多いといわれます。
確かにそれは正しいのですが、それを意識して特別に計算練習をする必要はありません。
なぜなら、東工大で主に求められるのは、計算の速さではなく精度だからです。
ひたすら数をこなすことで、計算の速度は上がりますが、精度は大して上がりません。
東工大数学は時間が長いからこそ、長い時間をかけても絶対に数字を合わせる能力が求められます。
その力を伸ばすには、日頃の問題演習から、時間を気にせず答えに自信を持てるまで検算することが大切です。

数学の対策について詳しくはこちら

首席が教える東京科学大(旧 東工大)対策(数学編)

東工大(東京工業大学)数学の具体的な対策を現役東工大生が解説。難易度の特徴、3時間5問という時間配分、頻出分野、ミスを防ぐ方法まで、合格点を取るための勉強法をま…

英語

東工大英語の特徴は、やはり超長文です。
そして忘れられがちなのが、長文問題しかでないことです。
また、英文和訳と和文英訳の配点が多いことも大事な特徴の一つです。
四教科の中で一番時間的制約の厳しい科目であることもおさえておきたいです。

ここ数年は他の大学と比べても、難しい出題が続いていて、配点が少ないことも相まって、勉強量に対して点数の上昇効率が悪く、あまりやりこむ必要のない教科でした。
しかし、2024年度入試では英語が易化し、差がつく問題になっていて、大学側の英語を重視したい思いの伝わってくるものでした。
そのため、あくまで私の予想ですが、今後も英語で差がつく傾向は続くと思います。
よって、基本的には英語は捨てられない科目です。

目標としては、文章を読まなくても解けるかつ、配点の高い英文和訳と和文英訳で高得点を安定させることが第一目標です。
具体的には、単語はもちろんやりますが、英文解釈をほかの大学の志望者よりも多めにやるとよいです。

英文和訳と和文英訳ができるようになったら、いよいよ本格的に長文(読まないと解けない問題)対策をしていきます。

読まないと解けない問題をできるようにする方法は基本的には一般的な長文対策と同じです。
ただし長文対策をするときに気を付けてほしいことが二点あります。
一つ目は、本文を読む前に問題文を読むことです。
一般的には、本文と問題文どちらを先に読むべきかは人によって意見が異なりますが、東工大の超長文に関しては、長すぎて内容を覚えておけないため、問題を先に読むことは必須です。
二つ目は、速読を意識することです。
東工大英語は時間がないので、ある程度速読できる必要があります。
速読力をつけるには、普段英語を読むときに、ゆっくり読んだ時の8割くらいならぎりぎり内容がわかるくらいの速さで読むことを意識してください。

詳しくはこちら

首席が教える東京科学大(旧 東工大)対策(英語編)

東京工業大学(東工大)英語の難易度・出題傾向・超長文対策を現役東工大首席合格者が徹底解説。3000語の長文攻略法、和訳・英訳の得点戦略、内容一致問題の解き方まで具…

物理

東工大物理は基本的には、全教科のなかで基礎的な内容が最も多く出題される得点源の教科です。
しかし、2024年度のように大幅に難化する年もあります。

以上をふまえ、まずは難化していない年の簡単な出題で高得点をとれるようにしましょう。
具体的には、最低でも重要問題集(名問の森)レベルが完璧にできるようにしてください。
特に電磁気の分野は問題が典型的なパターンになりやすく、やりこむと点数が安定するので、重点的にやる期間を設けてみてもよいと思います。

重要問題集とは、これのことです。

微積物理をやるべきかについて、結論としては、微積物理をやらなくても合格点はとれます。
問題の誘導は微積物理ではなく、高校で学ぶ解法でつきます。
そのため、微積物理だけできて、高校で学ぶ通常の解法ができないと、誘導にうまく乗るのが難しくなります。
まずは通常の解法で解けるようにしましょう。
ただし、Δを用いて変化量の関係式を求めさせる問題が出題されるため、「速度は位置の微分である」程度の微積物理の知識は必要です。

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首席が教える東京科学大学(旧 東工大)対策(物理編)

出題は大問3題(力学・電磁気・熱力学が頻出)で、過去10年間で原子は一度も出ていません。微積物理が必要かどうかも含め、東工大首席合格者が対策法を徹底解説します。

化学

東工大化学において癖が強いのは、6つくらいの選択肢から答えを1つか2つ選ぶ問題です。
この選択問題では、基本的な知識だけでなく、公式の適応条件など、深い理解を要求してくる選択肢が多く出題されます。
そのため、化学の勉強をするときに、公式や法則について、なぜそうなるかもあわせて、勉強することが大切です。

それ以外の問題は比較的基本的な内容が多く、ここで安定して高得点をとれることが大切になってきます。
基本的な内容のため一般的な化学の勉強をすればよく、重要問題集レベルができれば十分です。
ただし一点気を付けてほしいのは、東工大化学は処理量が多いので、ただ問題を解けるようになるだけではなく、素早く正確に解けるまで演習しましょう。

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首席が教える東京科学大学(旧 東工大)対策(化学編)

東工大化学は大問15題(理論・無機・有機が各5題)の答えのみ形式。計算ミスは即0点。6択選択問題の攻略法から構造決定まで、東工大首席合格者が対策法を徹底解説します。

投稿者プロフィール

塾長 佐瀬