東工大(東京科学大学)の「系所属」とは? 入学後に専門(系)が決まる仕組みを東工大生が解説
「東工大の系所属のシステムがわからない。」
「『学院』と『系』って何が違うの?」
「2年目に専門が決まるって聞いたけど、どうやって決まるの?」
この記事は、そんな受験生のあなたへ向けて書いています。
はじめまして。
私は科学大塾で塾長をしている現役東工大生です。
主な経歴としては、東工大オープン全学院中一位や、東工大に全学院の首席で合格したことがあります。
東京科学大学(旧・東京工業大学)の理工学系には、入学後にさらに専門が分かれる、「系所属」という仕組みがあります。
この制度は受験生にはあまり知られていないのですが、合格後の進路に直結する、とても大切な仕組みです。
この記事では、東京科学大学理工学系の「系所属」とは何なのかを、できるだけわかりやすく解説していきます。
系所属とは|「学院」で入学し、2年目に「系」が決まる仕組み
まず、一番大切な結論からお伝えします。
東京科学大学の理工学系では、入学の時点では「学院」という大きなくくりに所属し、2年目になってから「系」という専門分野に分かれます。
この2年目の振り分けのことを「系所属」と呼びます。
「学院」と「系」の関係を整理すると、次のようになります。
- 学院:理学院・工学院などの大きなくくり(=一般選抜で出願する単位)
- 系:その学院の中にある、より専門的な分野(=2年目に所属する単位)
「学院」が一般的な大学の「学部」に、「系」が「学科」に対応しています。
しかし、多くの大学のように「入学時に〇〇学部〇〇学科」と細かく決めるのではなく、まず学院に入り、1年間学んでから自分の専門(系)を選ぶ——これが東工大の方式です。
東大の新振りと比べると、東工大の方が入学時の学院を決める時点で、東大より細かく専門を決めます。
また、東大が新振りをして専門につくのが学士3年からなのに対し、東工大は系所属によって東大より早い2年生の段階で専門につきます。
各学院と系の対応関係一覧
理工学系には6つの学院があり、それぞれの中に複数の系が置かれています。
学院と系の対応関係は、次のとおりです。
- 理学院:数学系/物理学系/化学系/地球惑星科学系
- 工学院:機械系/システム制御系/電気電子系/情報通信系/経営工学系
- 物質理工学院:材料系/応用化学系
- 情報理工学院:数理・計算科学系/情報工学系
- 生命理工学院:生命理工学系(※1つのみ)
- 環境・社会理工学院:建築学系/土木・環境工学系/融合理工学系 など
各系の詳細な情報は、下記の大学の公式ページをご覧ください。
▶ 理工学系 系・専門職学位課程一覧(東京科学大学 公式)
系所属のシステム詳細|何で系が決まるのか
では、どの系に所属できるかは、何によって決まるのでしょうか。
系所属は、各系の受け入れ可能人数を考慮したうえで、学生本人の志望と、1年目の学業成績によって決まります。
1年目は系に所属せず幅広く学び、2年目に上がるタイミングで志望する系を申告します。
このとき、人気のある系は希望者が定員を上回ることがあり、その場合は1年目の成績が振り分けに使われます。
つまり、「行きたい系がある人は、1年目から良い成績をとっておくことが大切」ということになりますね。
「合格=専門が確定」ではなく、入学後の頑張りも進路に影響してくる、というわけです。
また、系所属の際に、他学院の系を志望することも可能です。
例えば、工学院に入学した一年生が、情報理工学院の情報工学系を志望し、二年生から所属できます。
入学後に関心のある分野が変わったり、入試の際に希望の学院に入れなかった場合に有用な制度です。
ただし、学院をまたいで系に所属できる定員はとても少ないため、一年次に極めて高い成績が必要になります。
※この記事は受験生向けなので、系所属に利用する成績の内訳などの詳細な情報には立ち入れません。
入学後、大学からのガイダンスを聞いてください。
系所属の制限|入試方式によって所属できる系が変わる
ここまでは「2年目に志望と成績で系が決まる」という基本の流れを説明してきました。
ただし、入学した入試方式によっては、あらかじめ所属する系が制限されている場合があります。
令和9年度入試までは、このような制限は総合型選抜のみに課されています。
しかし、令和10年度以降、系所属の制限が変わり、一般入試で理科で生物を選択した人も制限の対象となります。
制限の対象となる可能性のある入試方式を利用する予定の方は、必ず大学から発表される自分の受ける年の募集要項で、入学後所属できる系を確認するようにしてください。
令和10年度以降の系所属の制限の変更について、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
- 東工大(東京科学大学)理工学系は、入学時は「学院」、2年目に「系」に所属する
- 系所属は「志望」と「1年目の成績」で決まり、人気の系は成績が振り分けに使われる
- 定員は少ないが、学院を超えて系に所属することもできる
- 入試方式によっては所属できる系に制限があるので注意が必要
「系所属」は受験生にはあまり知られていませんが、合格後の進路に直結する、東工大ならではの大切な仕組みです。
この記事で制度のイメージをつかんだうえで、自分の志望学院ではどんな系に進めるのかを調べてみると、受験のモチベーションにもつながるはずです。
あなたの東工大合格を、心から応援しています。
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