共通テスト2026物理 全問解説|難化?東工大首席の塾講師が解説
この記事では、難化したと言われている、共通テスト2026物理を、全問解説していきます。
他の解説とは違い、公式をそのまま適用するものや典型題は、冗長になるので途中計算などは割愛し、発想の部分にフォーカスを当てて解説していきます。
また、冗長になることから、問題と正解を載せていないこともあります。
必要な方は、下記のサイトを確認してください。
【日経】共通テスト2026 問題と正解(旧センター試験)
はじめまして。
私は科学大塾で塾長をしている、現役東工大生です。
主な経歴としては、塾に通わず完全独学で、東工大オープン全学院中一位や、東工大に全学院の首席で合格したことがあります。
目次
第1問
小問集合です。
個人的には、2026年はこの大問が、しっかりと対策してきた受験生にとっては、見慣れない問題で一番大変だったかと思います。
問1
ア
動いている車から出る音であっても、音速は変わらないことがわかっていれば、ただの距離/速さです。
イ
周波数の違う音を交互に流していますが、周波数によらず音速は変わらないので、周波数の違う音が、もう一方の周波数の音に追いつくことはないです。
そのため、ただ別々にドップラー効果の計算をするだけです。
問2
2直流の場合は、十分時間が経過したとき、コンデンサーは全く電気を通さなくなり、コイルは抵抗が0になることを知っていれば、問題なく解けるはずです。
3
交流の場合は、少し難しいです。
以下の、RLC直列回路の公式を使えば解けます。
この公式を思い出すには、この公式がRLCのどれかが欠けている場合も、使えることを知っておく必要があったと思います。
(どれかが欠けている場合は、それに関係する項を消すことで使える。例:コイルが欠けている場合、ωLの部分を消す。)
問3
謎の風船が出てきます。
バスが加速すると、風船の位置が変わる問題です。
加速すると風船の位置が変わる理由は、高校生の知識でもわかるように説明することはできるのですが、この問題では、そんなことはどうでもいいです。
今回のように、共通テストで全然見たことがない現象が出てきた場合は、そのメカニズムを把握する必要がないことがほとんどです。
メカニズムを考えるのではなく、風船の位置が自分の知っている概念の、何を表しているのかを考えます。
今回、問題に出現する変数は、加速度くらいしかありません。
そのため、加速度と風船の位置の関係を考えます。
すると、二酸化炭素入りの風船が、バスの動きによる見かけ上の加速度と、重力加速度を合成した方向を表していることに気が付きます。
それに気が付いてしまえば、計算も必要なく答えが選べるはずです。
問4
この問題は、問題集によく載っている典型問題です。
公式や保存則の利用など、丁寧な誘導がついているので、確実に得点したいでしょう。
問5
温度についての理解度が試される問題です。
この問題に限らず、2026年は計算というよりは、物理に対する理解度が問われている印象があります。
(a)は、内部エネルギーの公式と、状態方程式を覚えていれば問題なくわかるはずです。
(b)は、分子1個あたりの平均運動エネルギーが、温度に比例する量なことを知らないときついかもしれません。
(c)はかなり難しいかと思います。
(a)で内部エネルギーは等しいことが分かっていると思うので、分子の二乗平均速度(根平均二乗速度)と物質量の積の値が、内部エネルギーに比例するかを考えればよいです。
ここで立方体の中を分子が弾性衝突しながら動いている、内部エネルギーと運動エネルギーの関係を出す問題を思い返すと、内部エネルギーは、分子の平均二乗速度(根がついていないことに注意)と物質量の積の値に比例していました。
そのため、速度の次元が合わないため、(c)は答えではありません。
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第2問
第2問も平年に比べかなり難しかったですが、難関大の二次試験で同様の問題が出ることがあるので、難関大志望の受験生にとっては、第1問よりは解きやすかったかもしれません。
問1
典型問題です。
反発係数と、保存則がわかっていれば問題ないはずです。
問2
問1同様です。
問3
ア
B_1とB_2をまとめてBとするのが感覚的にイメージしずらいですが、問題文をよく読んで反発係数の定義に基づいて計算します。
反発係数は速度だけから求められるので、Bの中身がどうなっているかという細かいことは気にしません。
イ
AとB_1は弾性衝突するので、AとB_1単体で反発係数を求めたら1になるはずです。
しかし、今回はB_1単体ではなく、B_1とB_2を合わせてBとして反発係数を求めています。
ここで、Bの衝突後の速度Vは、B_1とB_2の速度を合わせたものです。
衝突された直後のB_2の速度は0と考えられるので、VはB_1単体の速度より遅くなるはずです。
以上を合わせると、AとBの反発係数は1より小さくなります。
Vの定義に基づいて、厳密に計算すると、衝突直後の各物体の速度は、以下の図のようになります。

問4
ウ
上記の問3の図より、B_1,B_2の運動エネルギーをそれぞれ求め、足し合わせます。
エ
ウで運動エネルギーを求めさせたことと、エの直前に書かれた、「衝突後に、ばねの自然長からの伸びが最大になるときには、B_1と B_2の速度は等しい」という誘導の意味を考えます。
わざわざ誘導が書かれているので、これをどう使おうかと考えるのですが、まずは状況を把握するために、「ばねの自然長からの伸びが最大になるとき」の図を書いてみます。
B_1と B_2の速度は等しいとありますが、具体的な値は示されていません。
しかし、運動量保存則を利用すると、B_1,B_2ともに速度Vであるとわかります。
実際に書くと、以下の通りです。

ウで運動エネルギーを求めさせられたことを思い出して、この図と問3の図を見比べながら、エネルギー保存則を立てましょう。
ただし、問3の図において、衝突直後のためばねは自然長であることに注意しましょう。
(今回のような運動の途中経過が把握しずらく、運動前と後の状況しかわからない問題では、ほとんど必ず保存則を利用することを覚えておきましょう。例:コンデンサーの充電前後)
第3問
熱力学と波動の問題です。
典型題が多く、高得点を取りたい大問です。
問1
典型問題です。
Q=ΔU+WとU=3nRT/2=3PV/2を使って計算します。
問2
頑張ってマスを数えてください。
問3
熱力学第一法則(Q_in-Q_out=ΔU+W)と、熱効率の公式(W/Q_in)を覚えていれば、代入するだけです。
問4
典型題です。
強めあう条件は波源の位相が等しい場合、(波源からの距離の差)=(波長の整数倍)でした。
問5
問4に引き続き、典型題です。
問4で求めた強めあいの条件を用いて、mの値を変えながら解の個数を地道に数えましょう。
問6
円形波、平面波ともに、点Qから見て一つ先の波の山を表す波面は、一周期前に点Qの位置にいた波面のはずです。
すなわり、点Qから見て一つ先の波の山を表す波面の交点が解です。
第4問
電磁気の問題です。
第3問に引き続き典型題が多いので、高得点を狙えます。
問1
フレミングの左手の法則を使って、実際に図に自分の左手を合わせながら考えてください。
荷電粒子の電気量が負であるため、電流(中指)の向きが移動方向と反対向きになることに注意しましょう。
問2
ローレンツ力は、常に運動方向に垂直な方向に働くため、常に仕事は0です。
問3
図2において、横方向と縦方向に速度ベクトルを分解し、横方向は等速直線運動、縦方向は等加速度直線運動として考えます。
問4
ウ
円運動は中心向きの向心力を受けます。
エ
問1同様です。
フレミングの左手の法則を使って、実際に図に自分の左手を合わせながら考えてください。
荷電粒子の電気量が負であるため、電流(中指)の向きが移動方向と反対向きになることに注意しましょう。
問5
ローレンツ力と円運動を組み合わせた典型題です。
ローレンツ力の公式と、円運動の公式を組み合わせて解きます。
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