『青チャート』を東工大首席の塾講師が徹底レビュー:具体的な使い方や類似教材との比較も
はじめまして。
私は東京科学大専門オンライン個別指導:科学大塾で塾長をしている、現役東京科学大(旧 東工大)生です。
主な経歴としては、東工大オープン全学院中一位や、東工大に全学院の首席で合格したことがあります。
この記事では、『青チャート』をレビューしていきます。
目次
基本情報
| 書名 | 新課程 チャート式 基礎からの 数学(Ⅰ+Aのみ改訂版) |
| 出版社 | 数研出版 |
| 著者 | チャート研究所 編著 |
| 科目 | 数学ⅠⅡⅢABC |
| 出版日 | 2026/1/26(Ⅰ+A) 2022/10/25(Ⅱ+B) 2023/8/3(Ⅲ+C) |
| ページ数 | 696ページ(Ⅰ+A) 664ページ(Ⅱ+B) 736ページ(Ⅲ+C) |
| 価格(税込) | 2,310円(Ⅰ+A) 2,431円(Ⅱ+B) 2,541円(Ⅲ+C) |
| 用途 | 基礎から標準レベルの問題を網羅した問題集 |
※執筆時点(2026/2/19)では、Ⅰ+Aのみ改訂版が出版されていますが、大きな内容の変更はなかったため、改定前の新課程版を前提にレビューしています。
改定による具体的な変更内容は、数研出版の発表を参照してください。
対象者
青チャートはご存じの方も多いでしょうが、基礎から標準レベルの問題を網羅した問題集です。
具体的な問題の難易度は、教科書レベルから、地方国公立くらいまでの難易度です。
そのため対象者は、受験に向けて使う、最初の数学の問題集を探している人といえるでしょう。
構成と内容
メインの問題として、指針(考え方)と丁寧な解答のついた、例題があります。
すべての例題に、解説動画がついていてとても便利です。
1Aか2Bかなどで多少変わりますが、例題は約350題掲載されています。
約350題すべてをやるのが難しい人向けに、目的別にどの例題をやればいいかのリストが各単元の最初に示されているため、問題数を絞って解くこともできます。
多くの受験生は、この例題しか使わないと思います。
各例題のページの下に、例題の類題が練習問題として載っています。
練習問題には、例題に比べ簡単な解答しかついておらず、演習量を稼ぐための問題です。
単元ごとに例題の前に、基本事項という部分があります。
基本事項では、その単元における公式などの要点がまとめられています。
詳しい説明は載っていないため、一度学校などで学習した人が、要点を確認する用に使うのが良いと思います。
もし、学校などで未習の範囲を独学で進める場合、青チャートに加えて、講義系参考書や動画教材を活用するべきです。
単元ごとに例題の後に、EXERCISESとしてその単元の実力問題が載っています。
EXERCISESは、例題より難易度が高い実力試し用の問題ですが、解答解説が練習問題同様、例題に比べると不親切です。
そのため、例題が終わった後にEXERCISESをやるよりは、重要問題集など他の問題集を用いる方がおすすめです。
例題の合間に、コラムが書かれています。
コラムには、受験に有益な知識が書かれていることもありますが、大学範囲の知識が書かれていることも多いです。
そのため、すべて理解しようとして読むと大変なので、興味がある人だけ、雑学だと思って読むとよいと思います。
巻末に上記の内容たちから独立して、総合演習というのがついています。
総合演習は、共通テストを意識したものと、難関大を意識した演習問題からなります。
共通テストを意識したものは、確かに共通テスト対策に有益な内容ではあるのですが、普通に共通テストの予想問題集をやる方が、多くの受験生にとっては効率的だと思います。
難関大を意識した演習問題については、EXERCISES同様、解答解説があまり丁寧ではないので、他の問題集を利用するほうがおすすめです。
良い点・悪い点
良い点
- 網羅度がとても高い
- すべての例題に解説動画が付属している
- 必要十分な解説がついている
一つずつ説明していきます。
まず、例題が約350問もあるので、問題の網羅度がとても高いです。
大学受験において、知っておかなければいけない基礎問題は、すべて載っていると言っても過言ではないでしょう。
青チャートで基礎問題の解法をたくさん覚えておくと、後々難関大レベルの問題を解く際も、似ている問題を知っている確率が高くなり、とても有益です。
次に、すべての例題に解説動画が付属しているため、独学でも分からない箇所が発生しにくいです。
独学で数学の勉強をしていると、先生に解答を見ても分からない箇所を質問できないので、挫折しやすいと思います。
青チャートなら、解答を読んで意味が分からなかったときに、解説動画を確認することで、理解できる可能性が高いです。
最後に、例題に必要十分な解説がついているため、単なる解法暗記ではなく、問題のパターンにあわせた解法を学習できます。
具体的には、指針にどういうタイプの問題は、どういう方針で解くのかが書かれているため、解法ではなく指針を暗記することを意識すると、汎用的な知識が身につきやすいです。
悪い点
青チャートには唯一にして最大の欠点があります。
それは、分厚すぎることです。
Ⅰ+AかⅡ+Bかなどで多少異なりますが、だいたい600ページあります。
見た目は、ほとんど辞書と変わりません。
これだけ分厚いと、家から学校に毎日持ち運ぶのは修行になってしまいますし、勉強中に分厚くて使いづらいと感じる人もいるでしょう。
対策としては、カッターで無理やり分冊にする方法があります。
この方法は、どうしても見た目は汚くなってしまいます。
他の対策方法としては、電子書籍を購入する方法があります。
しかし、電子書籍ではなく、実際の紙で勉強したいという人も多いでしょう。
紙の書籍が良い場合は、お金はかかってしまいますが、家用と学校用で二冊購入するのも一つの手です。
類似の本との比較
vs Focus Gold
Focus Goldは、青チャート同様の600ページ級の辞書のような問題集です。
本の内容や構成も、青チャートと基本的に同じです。
ただし、青チャートとは異なり、ただのFocusGoldではなく、Focus Gold Plusの方を購入しないと、解説動画がついていません。
また、細かいことを言うと、若干Focus Goldの方が青チャートより問題のレベルが高いです。
青チャートとFocus Goldどちらを使うべきかについては、ほぼ同じなので、レイアウトの好みなどで決めればよいと思います。
もし、学校で配られるなどして、青チャートかFocus Goldのどちらかを持っているのであれば、買い替える必要は全くありません。
ここまで読んでどちらか決められないあなたには、解説動画が元からついていて値段が安いので青チャートがおすすめです。
vs 基礎問題精巧 標準問題精巧
基礎問題精巧と標準問題精巧は、名前の通り基礎レベルと標準レベルの問題集です。
だいたい、基礎問題精巧は青チャートの簡単な方半分のレベルで、標準問題精巧は青チャートの難しい方半分のレベルです。
そのため、問題精巧シリーズはよく青チャートの代わりに用いられます。
青チャートとの主な違いは、基礎問題精巧と標準問題精巧を合わせても、青チャートより問題数が少ないことです。
問題精巧シリーズは問題数が少ないから、挫折せず最後まで終わらせやすいため、青チャートより問題精巧シリーズの方がおすすめという主張をよく聞きます。
しかし、青チャートにも、用途別に問題数を絞ったやるべき問題のリストがついているため、この主張は的外れです。
ただ、精巧シリーズは問題数が少なく物理的に薄いので、取り回しが良いというのはあると思います。
また、問題精巧シリーズの方が青チャートより解答解説が若干丁寧ですが、これは好みの範疇だと思います。
問題精巧シリーズには、解説動画がついていないことを踏まえると、青チャートの方が解答解説の理解しやすさは高いかもしれません。
以上を踏まえ、青チャートと問題精巧シリーズどちらを使うべきかをまとめます。
難関大を目指すうえで、数学を得意科目にしたい人は、網羅度の観点から青チャートを使うべきです。
また、解説動画が欲しい人も、青チャートを使うべきです。
それ以外の人は、青チャートと問題精巧シリーズの解答解説を見比べて、自分に合っている方を選べばよいと思います。
解答解説の好みが特にない場合は、取り回しを気にするなら問題精巧シリーズ、取り回しを気にしないなら青チャートがおすすめです。
適している人・適していない人
適している人
- 解説動画が欲しい人
- 網羅度の高い問題集が良い人
適していない人
- 分厚い本を持ち歩きたくない人
おすすめの使い方
例題だけ解く
例題だけ解くのが、一番基本的なおすすめの使い方です。
例題すべてを解くと問題数が多いのであれば、単元の最初に書かれている、用途別のやるべき問題のリストを活用してください。
青チャートには、例題以外にも練習問題など、たくさんの問題がついています。
しかし、ほとんどの人にとって例題だけで十分です。
むしろ、例題以外にも手を出してしまうと、復習が不十分になり、何も身につかなくなりかねません。
定期考査対策として、EXERCISESを解く
EXERCISESは、各単元の最後についている、実力問題でした。
ここで紹介するのは、定期試験前に例題を解いたことのある人を対象としている使い方です。
定期考査対策のために例題を解きなおすのは、問題数が多いことと、問題の難易度が低いことから、あまりお勧めできません。
そのため、例題の代わりにEXERCISESを解くのがおすすめです。
EXERCISESは定期考査で出題されるような、実践的な問題演習ができる上に、EXERCISESのそれぞれの問題に対応する例題が書かれています。
そのため、EXERCISESで間違えた問題に対応する例題だけ復習するだけで、実質的に例題をすべて復習したことになります。
例題を単語帳のように使う
最後に、かなり発展的な青チャートの使い方を紹介します。
この使い方は、主に難関大受験生を対象としています。
具体的な使い方としては、まず例題の解答・解説部分を紙などで隠し、問題文だけが見える状態にします。
その状態で問題を読み、解法を単語帳のように頭の中で思い浮かべます。
このとき、暗算をして答えを求める必要はありません。
あくまで解法だけを思い浮かべます。
ここで言う解法とは、接線の方程式を求め、放物線の方程式と連立させた方程式の実数解の存在条件に帰着させる、などです。
十分に考えたら紙をずらし、解答を確認しましょう。
これをすることで、難しい問題を解く際に、どの基本問題に落とし込めばよいかを、飛躍的に連想しやすくなります。
また、この方法は電車内などの移動中でもできるので、とても効率的です。
まとめ
青チャートは、基礎から標準レベルの数学の問題集として、一番内容が充実している問題集といえるでしょう。
分厚すぎて取り回しが悪いのが唯一の欠点ですが、それ以外は非の打ちどころがないと思います。
そのため、青チャートが嫌な理由が特になければ、すべての受験生が使うべきといっても過言ではない問題集です。
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